科目名 □位相幾何学
担当教員   加藤 十吉     
対象学年   3年   クラス   [278]  
講義室   8214教室   開講学期   通年  
曜日・時限   火3   単位区分   必,選択  
授業形態     単位数   4  
準備事項    
備考    

講義概要/Class Outline

この講義では集合、写像、同値関係などの基本的概念を説明することからはじめ、距離空間、位相空間について述べる。専門的な事には深入りはしないが、いずれも現代数学では必ず必要とされる基本的な事柄である。ついでユークリッド空間の単体、複体を定義し、複体のホモロジー群を計算することを目標とする。講義で扱う場合は連立一次方程式を解くことにより比較的容易にホモロジー群を求めることができる。群については必要最小限の説明を加える。

達成目標
 位相幾何学とはどういう幾何学かを理解し、向き付け可能閉曲面や向き付け不可能閉曲面のホモロジー群を理解し、その計算が出来るようにする。  

講義計画 /Class Structure

15 単体I
n次元単体、頂点、次元、重心座標、辺単体、単体の向き
16 単体II
R~の有界閉集合である図形と単体
17 複体
複体、部分複体
18 鎖群
鎖群
19 鎖群
鎖群の例
20 境界準同型
境界準同型、輪体群、境界輪体群
21 ホモロジ−群
ホモロジ−群の定義、
ホモロジー群の計算
22 ホモロジ−群
単体の定める複体のホモロジー群の計算
23 ホモロジ−群
オイラー標数とホモロジー群
24 等化複隊のホモロジー群
等化複隊のホモロジー群の計算
25 閉曲面のホモロジー群
閉曲面のホモロジー群1
26 閉曲面のホモロジー群
閉曲面のホモロジー群2
27 トポロジーmagic
メービュースの帯、クラインの壺
28 位相幾何学まとめ
まとめ
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  学習・教育目標/Class Target 位相幾何学はゴム膜の位相幾何学ともよばれ、図形のつながり方のみに着目し、図形の2点の距離や角度には関係のないより本質的な形について調べる。たとえば、つながり方にのみに着目すれば、ドーナッツとコーヒーカップは本質的には同じ形なので、位相幾何学者はドーナッツとコーヒーカップを区別できないといわれる。まず、ユークリッド空間の図形の間の連続写像からはじめて、その図形のつながり方の本質を点列の収束の観点から、図形の位相と抽象し、図形を集合+位相=位相空間とその間の連続写像を位相を保つ写像とする。こうして、一般的な位相空間の幾何学として位相幾何学が展開される。しかし、よい数学の特徴として、位相幾何学は、基本的な図形に関しては、単純明快な分類定理をもたらし、同時に、直観的には驚異的な結果、表裏のない曲面が存在するという事実をもたらす。これが閉曲面の分類定理で述べられる。また、閉曲面の分類はホモロジー群を計算することで可能である。この講義では、位相幾何学とはどういう幾何学かを知り、その基本概念を知り、閉曲面のホモロジー群を計算できるようにするのが目標である。   評価基準/GradingCriteria トポロジ‐手品と呼ばれる手品がある.その種明しである位相幾何学的理由が説明できるようになれば,合格である.   評価方法/GradingMethod 中間試験、期末試験(50%)とレポートの成績および出欠状況(50%)の総合評価である。   受講上の注意/Class Rules 欠席しないこと。必ず復習、課されたレポートを提出すること。   受講制限/Prerequisit   関連する科目/Related Class 極限の基礎概念と線形代数基礎   教科書/Text
著者名 加藤十吉  
著書名 『位相幾何学』  
出版社名 裳華房 1988年  
ISBNコード  
指定図書/Assigned Books
著者名  
著書名  
出版社名  
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参考文献/Bibliography
著者名 田村一郎  
著書名 『トポロジー』  
>出版社名 岩波書店 1972年  
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